Orange Tea

Author * hideち / 愛でるモノは音楽・本・植物・金魚でス。
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『トニオ・クレーゲル』『ヴェニスに死す』

by トマス・マン

 マンの作品はこれが初めてであル。『魔の山』を読もうと思い立ち、本屋へ行ったものの、生憎これしかなかっタ。長編『魔の山』と違い、薄い文庫本だったので、まぁ、良いかとこちらを持ってレジへ行く。

 この本は中央線に乗って青梅へ行った時、車内で読破したものであル。午前中の車内は空いて、扉が開いた時に入ってくる風は冷たい。枯葉や冬支度をする鳥の鳴き声も入ってくる。気持ちが良かった。

 この二作品を収めた本は、ちょっとした既視感、deja vuに見舞われル。近代文学が好きな人、特に解説を後から読む人なら味わうであろう、「あれ?」に出会う。ゲーテに似ているのダ。とても。これは翻訳者が同じだからなのか、何なのか。原書の読めない自分では確かめるすべは無い。
 しかし、トマス・マンは「ゲーテのまねび」の趣があるらしいと後に知った。だからゲーテの影が薄っすら見えるのは、そのせいなのかも知れない。

どちらの短編には芸術家の静かでなお、激しく弱々しい心理が書かれていタ。
芸術家の本質を描いているのだ。
「感性と理性、美と倫理、陶酔と良心、享受と認識−こういう相反する二つのものの板挟みに会っている人間」(解説より抜粋)がトマス・マンの言う芸術家である。『トニオ・クレーゲル』での主人公クレーゲルは後者を。『ヴェニスに死す』の主人公、初老の芸術家は前者を選んで書かれた。後者に選ばれたクレーゲルは、前者に惹かれるも、後者を選んで何とか生きている。前者に囚われた初老の芸術家は思うが侭の精神で美を愛でるが、年を重ねた者に付き纏う理性に悩まされ、死んでゆく。

そんな、お話。
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