Orange Tea

Author * hideち / 愛でるモノは音楽・本・植物・金魚でス。
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夢を見た

朝6時過ぎには暑くて目が覚めてしまいまス。
そのくせ夜寝るのが2時過ぎなものですから、
夕方に仮眠を入れている、今日この頃。

30分程の仮眠には、なんとなしに周囲の音が聞こえつつ、
寝ているものですが、昨日は珍しく熟睡しましタ。
そして久しぶりに、夢を見た。

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はじめは夢がハッキリしておらず、同じ場面に居るのか分からなかった。
一歩踏み出せばもう背後は忘れ去られて、逆に振り向くのが怖かった。
それでも、くの字に屈折する階段を下りる時に、
自分が歩いていた廊下を見ると、安心したものだ。

遠くで何匹もの犬の鳴き声がする。
一緒に居た女の子が私の手を引っ張ってその場所まで連れて来た。
手作りの、心もとない柵には、何匹だろう。
7、8匹の犬が扉の所で尾をふっていた。
彼らが飛び越えようと思い立てば、ひょいと越えられる低い柵。
歩み寄って頭をなでようとすると、足元でギシッと音がした。

私は木造の建物のベランダにいた。
今まで私が居たであろう、後ろをクルッと見ると、
北イタリアやフランスの片田舎で見るような、
沢山の窓が等間隔で縦横に並んだ、民家があった。
窓一つ一つには小さな花が飾られていた。

犬たちの鳴き声が聞こえなくなった。
彼らは尾をふって、ハッハッハッと息を吐きながら柵を見ている。
「行くよー!」
母親の声が下から聞こえた。
「はーい」
私をここまで連れてきた女の子はもういなかった。
隣には、実際の年齢よりも10年は若くなった妹二人と、従兄弟がいた。
彼らはキャーキャー言いながら急いで軋む階段をおりる。

私は、どうだ。
そばの窓には、私は映らない。

ベランダから地面に足をつけると、遠くの方でハッキリした物を感じ取る。
そろそろ夢が始まるのだろうか。
舗装されていない砂利道をすすみ、たどり着いたのは酒屋。
その建物の外装は、覚えていない。
靄に包まれたように、よく見て取れなかった。
しかし一度中に入れば、そこはいやに現実めいたバーだった。

でかでかと、"Bar Beehive"とNYの落書きみたいな殴り書きがカウンターにあった。
八角形の部屋がいくつもあり、それを狭くて息が詰まるような通路で繋がっていた。
はじめに入ったhiveはとても静かで、
着飾った人たちが足の低いソファーに座って何かを飲んでいた。
「こっちよ」
いつの間にか私のそばには母が居た。
彼女は狭い通路のほうへ行く。私はあとをついて行った。

「なんで机の下に桶が置いてあるの?」
母は次のhiveで私に聞いた。
ビールと汗と、煙草のにおいが染み付いたhiveだった。
クタクタの外套を着た男たちが小さなテーブルにそれぞれ陣取り、
グラスいっぱいに入ったビールを飲み干すと、その桶の中に大きな音を立てて投げ入れる。
「そういう作法なんだね。」
私は始めて声を出した。
その声は実際の私が発する声だった。
「この隣が、今日行く場所よ。」
母はまた狭い通路へ向かった。

"I would like a.......cup of coffee. And this cookie."
母親は英語でカウンターの男に話しかけ、男も英語で答えていた。
訛りがオーストラリアだった。ここは、オーストラリア?
「先に席とってるわよ。皆はもう買ったからあとは貴方だけね。」
母は男から珈琲を受け取ると、何処かへ行ってしまった。

ここはスターバックスみたいな、喫茶店だった。
ツルツルの机や、軟らかそうなソファー、
明るいんだか暗いんだか分からない照明。

"So, what do you..."
カウンターの男は忘却の彼方に飛んでいた私に話しかけた。
後ろに人は並んでおらず、客は欲しい物を手に入れて席についていた。
"Coffee."
メニューを見るのが面倒だったので、一言。
"Anything else? There's snack, like.... cookie, your mother just bought, tiffin....lunch? "
男は客が落ち着いたので、暇つぶしに私を選んだ様子だった。
"Well I'm not kind'a eatin' something right now. Coffee is fine."
私は何処かに座って珈琲が飲みたかった。
夢の中で珈琲を飲みたいだなんて、最近飲みすぎているのだろうか。
"Hmm. I was wondering. You talk very different from your family."
男はカウンターから身を乗り出し、まるで内緒話をするように静かで、
一つ一つ言葉を選ぶようにゆっくりと、意地の悪そうな顔で言った。
その顔が、ピーター・フォークそっくりだった。
私はマジマジと男を見た。
「君日本語は話すんだろうね?」
男は突然日本語になった。
「片言なら、僕も話せるんだよ。」

"I speak any language."
ウィンクをして、やっと珈琲が出てきた。
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♪Ransom notes keep falling out your mouth

(by Imogen Heap "Hide and Seek")

今回のは実際に夢で見たのではなく。
昼の暑さが落ち着いた、気持ちの良い夕方の風が吹き始める頃に、
自室の窓越しに寄りかかって物思いに耽っていた時に、
降って来た、夢のようなお話であル。
ハタと気が付くとhideちは寝ていた訳ではなく、
忘却の彼方に飛んでいた(笑。
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落ち着いたモノトーン調の部屋には、ベッド、座卓、座卓用の座布団に、本棚がいくつか、パソコン用の小さなデスク、クローゼット、洋服箪笥、桐箪笥、そして小さな出窓には植物がいくつか並べてありました。写真たてもなければ、写真もありません。カレンダーもなければ、鞄や勉強道具もありません。つまり、そこは人がいるという雰囲気が全くありません。まるで博物館の展示品を見ているようでした。
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夢を見た

さて。

ある日の夢の中で、
最近全然夢想と言うか、空想と言うか、妄想とい(殴。

ある日の夢の中で、
最近は気に留めていなかった人が出てきたら、
しかも、それが好きな人だったりしたら、
いや、そんな紙みたいな感情じゃなくて、
愛する対象になる人が出てきたら、
一日と言うか、一週間くらい白昼夢状態になるよね。

しかもやることが、固定観念化したような、
成熟した男性の、濃厚だが優しい気遣いだったりすル。
不意打ちに出てきて、さらっと気を遣う仕草をして、
軽い会話を楽しんでからは、何も言わないで、
ずっと、私を見ている。

使い古した温和な目と、声で私を包もうとして。
話題を作ろうか悩んでみるが、
あきらめて、私に体を預けてきた。

私の短くなった髪を指で遊び、猫でも撫でるように頭を撫で、
私の頬に、温かい手をあてた。
何かを言ったけれど、夢の中では声がなくて聞こえなかった。
しかし、私の記憶の中では見事なバリトーンで話す男だった。
声も聞こえたなら、随分と心地が良かっただろう。

薄い唇が動くのを、私は見る。
夢の中で、私は返事をする。
男は意地の悪そうな表情を浮かべた。
いい年をした男が浮かべたそれは、幼稚で可愛らしいものだった。
私をつつく。
しかし、私はすかさず反撃をした。
この男は脇が弱いから。
無邪気な笑い声が聞こえればよかったけれど、
やっぱり声は聞こえなかった。
男はソファーに倒れこみ、私はそのまま馬乗りになった。
暫くは小さな笑いがお互いにこぼれ出た。

男は上に乗る私を下から見た。
私達はそのままの状態で会話をする。

お互いのこの距離がぎこちなく、私は男の胸の上に寝そべった。
一定のリズムで上下する胸は、相変わらず隆々としていたが、
その年齢からか、肉付きも良かった。
私は男の蓬髪を弄る。
男は目を瞑り、そのまま眠ってしまいそうだった。
私も頭を男の胸に伏せ、呼吸を合わせた。
男の大きくゆっくりな心臓の音が聞こえてきた。
同時に息を吸い、吐く動作で、私も眠くなってきた。

もう起きるのかな、私は。
二人は口を開こうとはしなかった。

そこで、目が覚めタ。
ああ、暫く引きずるヨ・・・(´∀`。)
hideちが突然悶えだしたら、これを思い出していることでしょう。
久しぶりに気温が低い今日、珍しくもこの男を思い出したので、
遠くにいるこの男を思いながら、タバコに手を付けよう。
失恋したオッサンみたいな事するな、自分。

By the light of dawn,
A midnight blue
day and night
I've been missing you.
I've been thinking about you, baby.
Almost makes me crazy,
Come and live with me.

Plans and schemes, hopes and fears
Dreams that deny, for all these years
I, I've been thinking about you, baby
Living with me.
(Massive Attack "Live With Me")
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夢を見た。

正月よりも、大晦日の方が好きなhideちでス。
謹賀新年!

さて。
詳細な夢を見るhideちですが、
今朝も随分と細々しなのを見たよ。
題して、「自分の記憶野の容量」。
こんなにも、hideちのお頭の中に沢山の人を記憶しているのかってくらい、人が出てきましタ。

全部知人。
顔馴染みとか、
電車でよく居合わせる人もいたりすル。
USに居た頃の小学校、帰国後の小学校、中高、大学。
全ー部いた気がすル。
いや、いたよ。

皆さん、と言うかhideち脳に住む町民たち〜。
場所は馬鹿広い建物。すんごい綺麗な・・・学校?
廊下は246号線並に広い。
各部屋・・・教室?は国立競技場並み。
室内にはシンプルな長机と付属する椅子が並ぶ。
各部屋をhideちは急ぎ足に回っている訳ですが、
各部屋にいる人たちの分類方法が良く分からない。
大学の友人が多い中で、小学校の頃の友人達が混ざっていたり。
でも中高友達の輩で統一された部屋もあったり。
その部屋は、相変わらず大荒れだったヨ(´∀`)ノ

廊下同様に広い階段の段差は小学校並みに低い。
そこは、hideちが大好きな人たちに会う場所。
階段では、hideちはゆっくり上り下りすル。
階段は移動する物だから、hideちの大好きな人たちがここにいるのは、多分まだ分類できていないからなのかナ。
不安定な人たちだナー。

寝ている時に脳が活発になるのは、
レムとノンレムのように、
メリハリのある運動と休憩を繰り返しながら
脳内を整理している様子らしいですが、
今朝のhideちの脳は人物の記憶でも整理していたのかねぇ。

ってぇ事はだヨ。

その中で使われていない人は確実に削除された訳で。
誰が削除されたのだろう。
それとも、まるまる人じゃなくて、人の名前かな。
滅多に会わない人で、
名前忘れてたらごめんヨ(´∀`)←呆気らかん

一体何百人いたのかナ。
こんなにも覚えが良いのなら、
もうちょっと暗記力を鍛えようかナ。

建物も随分と空きがあったようだし。
何を詰めようかしらん。

めでたい初夢が、モロ脳内整理だったけれど、
皆さんの初夢はどうでしたー?
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夢を見た。

書き溜めていた、昨日、見た夢を組み立ててみまス。
本編に入れるかな・・・てくらい長いよ、文章にすると。
ほんの数秒でこんな長いのをみる人の脳はすごいサ
最初の方で生の人物が出てくるのはその日がゼミの日だったりしているからでス。
でも、最後で態々こうなった理由が分りますサ。
それでは、書き写すゾ。

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とある夢を今日は見た。
 古びた、小さな商店街が立ち並び、所々はシャッターがしまり、所々は民家だったり。街灯が消えそうなくらい弱い明かりを出していた。それでも店の前に並べられた提灯のお陰で淡い光が辺りを包んでいた。さて、ここは何処だろうと勘ぐった。
 私が前に立っていた建物からゼミの面子が出てきた。私はゼミの飲み会が無事に済み、店を出た所だった。そこで、ハタと私は思い出した。来年スキーへ行きたいと前回の飲み会で話したのを思い出した。
「すみませーん。あの、皆さんこの間少しだけ話したスキーは本当に行きますか?」と私は聞く。
「おーい!何か言っているよ!待って待って!」同学のゼミ生Iが帰路に着く皆を引き止めてくれた。皆、視線を各々の好きな方へ向けた。私の質問に考えている様子だった。
 映画「千と千尋の神隠し」に出て来たような街だと思った。街にかかる提灯が何とも暖かな雰囲気を出していた。他に人は居なかったかも知れない。もう夜遅いからだろうか。

 すると。

 周囲がゴムのように伸びたり縮み出した。全てが同じ運動を繰り返した。渦を作る所もあった。私以外のものが全て一枚のカンバスに描かれた絵画のようになる。その絵画はダリのような伸び縮み具合だった。
 それらは音も無く静かに進行した。目前のゼミ生も同様に、街と一緒になっていた。彼らの声も聞こえない。その目の回るような中で会話をしていた。私は彼らを見た。皆話す。笑う。そして答えが出たのか、私を見た。

 私の目を、見た。

 伸び縮みした街は別の風景へと変化した。その運動が治まりつつある頃には、どこかの田舎となった。私が一歩を踏み出すと、私はその田舎世界に溶け込んだ。夢の場面が飛んだようだ。ここは夏場なのか、石垣で縁取られた田んぼには青々と茂る米が波打っていた。周囲を山で囲まれていた。そよ風が心地良い。
 後ろで軽トラックの止まる音がした。
「着いたぞー。」中から男と、その娘たちと思われる女の子が三人出てきた。その中の一人には見覚えがあった。すると私はその女の子になった。先ほどまで大学生であった私は、三人姉妹の長女となった。妹である二人は、私の実の妹の幼い頃だった。妹が、農家に向かって祖母を呼ぶ。夏休みを利用して帰ってきた所だった。
 しかし、私の実家は東京のど真ん中であり、母方も農家には住んではいない。ここはどこなんだ。
「ちょうど良かった、今部屋の準備が出来たんだよ。」妹の声を聞いて出てきたのは母方の祖父だった。祖父は私たちを家の中へ連れて行った。細い階段を登って二階へ上がった。フローリングの廊下が、二階全体を占める和室を分断していた。妹二人は広いほうへ、私は狭いほうへ通された。
「さぁ、布団をしこうか。」間もなく寝る準備が始まった。外はまだ明るい。私の居る部屋は、布団をしいただけでいっぱいになってしまった。しくのには祖父が手伝ってくれた。後は寝るだけ、と無事にしく事ができた。ふとシーツを見ると、先ほどまで真っ白だったのが、薄汚れたピンク色、中心には大きな絵だか文字だかが書かれていた。
「ありがとう。」と私は例を言う。
 静かになった。隣で騒いでいた妹たちの声はパタリと止み、何の前触れも無く闇にでも喰われたような静けさだった。不思議に思った私は祖父の顔を見て、余計に不安になった。彼は赤の他人でも見るような目で、

 私を見た。

「・・・・・。」彼は何かを言った。しかし私の耳には何も届かなかった。

 ああ、また何処かへ私は行くんだ。

 再び周囲が伸び縮みを繰り替えし、渦を巻く。しかし前回のとは違った。歪みはあまりにも大きく起こり、そして周囲も一瞬にして変わったのだ。私は別の場所へ来た。
 そこは先ほどの田舎とは大して変わらない田舎であった。私は農家の庭に居た。振り向くと私はあの祖父の家の前にいた。外に出ただけだった。
「さぁ!早く!早く行くよ!」いつの間にか私のすぐそばに居た女性が私に向かって言った。その女性の顔を見て、私は彼女の事が解った。ああ、貴方は。夢の中の私には彼女が誰であるのかが解ったらしい。私とその女性は何かから逃れている様子で、とても急いでいた。二人は見知らぬ車に乗り込んだ。その女性はとても早口に私に何かを言う。私はその女性の声が聞こえないのに、暫くしてから気が付いた。
 
 突如、場所が変わった。

 そこでの私は既に動いていた。走っていた。何かの競技に参加しているようで、自分の前後には人が同じようにして走っていた。実況中継のようなアナウンスが聞こえる。荒野を走っていた私は、どのコースを走っていて、どこがゴールなのかが分らなかった。それでも走り続けた。遠くの前方をよく見ると、果てしなく大きく高い建物、骨組みが丸出しの、まるで非常階段のようなのが見えた。前を走る人たちは皆その中へ入っていく。近付くにつれ、全て階段である事が分った。私も同じようにしてその階段をのぼり始めた。

 その時私は何かを探していた。

 非常階段と違う所は、狭く小さく、細かく方向転換しなくて良い所であった。私はのぼり続ける。人が徐々に追い抜かされ、前方の人間は皆、より早くのぼった。私と同じ位置を走る人が三人いた。男女双子の幼い兄妹と、私の友人(とここでは認識している人)の三人だった。双子の兄妹が良く話し、私と友人を何とかして追い抜かそうと横で話しかけ続ける。私と友人はお互い思い立ったように挨拶を交わす程度で走り登り続ける。
 随分と高くまで来た。それでもまだ、巨大で長い、鉄のジグザグ階段は続く。先ほど自分が走って来た荒野の道を走る、階段の手前まで来ている人たちを見た。その中には友人Yがいた。そいつを見て、「ああ、自分のこんな所までコイツは入ってきているのか」と、ふと夢の中で目が覚めた。

「ねぇねぇ!」双子の兄妹の声で、走っている自分の所に意思が戻った。
「この先見てよ!」双子の兄妹が言った。ジグザグにのぼってきた階段はもう無く、紐が三本結ばれ、先がそれぞれ違う所へ伸びていた。骨組みで外が丸見えだったのに、横には壁があり、紐はその向こう側へと続く。ここから先は部屋になっているようだった。
「あー!ねぇ!友達先行っちゃったよ!じゃぁ・・・・僕らもお先にー!」
友人と双子は先に行ってしまった。紐は掴んでぶら下がると自動的に進むのか、友人は片手でぶら下がると、滑車に乗っているようにスイスイと行ってしまった。双子は友人と違う紐を掴んで、一緒に行ってしまった。

「見つかるといいねぇーー!」

双子はそう叫んで消えて行った。そうだ。私は何かを探していたんだ。
 私は下の方を覗く。下から数人が走っているのが見えた。私は友人も双子も掴んでいない紐を掴んだ。掴んでぶら下がっただけで、ベルトコンベアーに乗っているように進んだ。しかし実際には掴んではおらず、紐には全く触っていなかった。リニアモーターカーみたいだった。

 だだっ広い部屋にたどり着いた。部屋の位置は、大体高さ60階分くらいの所だ。部屋とは言っても、紐が結ばれている壁以外の四方には何も無く、骨格があるだけだった。振り返ると、もう紐は無かった。人が通れるくらいの四角い穴が開いているだけだった。
 さて、その広い部屋は、保育園のような場所だった。動物が描かれた大きなクッションのサイコロ、積み木、小さな遊具。奥にはコンテナサイズの部屋が三つあった。
「さぁ急いで!」この部屋の監視をしている女性が言った。既に二つは誰かが入っているようで、西部映画に出てくるパタパタと簡単に開く扉は閉まっていた。遅れを取るまいと、私は開いているコンテナ部屋に入った。入ると、簡単に開けられそうなパタパタの扉が消え、壁が現れて他の面と同様にパネルが現れた。
「すご・・・。」中には同じサイズのパネルが所狭しと設置されていた。その一つ一つには五つずつの音階が表示されている。
「さて、音がわからない人は難しいですね!これから流れる音楽の音を正確に拾って下さい!音は無数に設置されているパネルのどれか分るかな!」
コンテナ部屋内に説明が流れた。そして、音楽がかかる。私は音を一つずつ拾って、押されるべき音のボタンを押していった。音楽はサビだけで終わった。すると壁が消え、扉が現れた。扉を開けると、玩具しかなかっただだっ広い空間には、幼児が何人か遊んでいた。監視をする女性はその子供たちの面倒を見ていた。そして小動物が沢山いた。ハムスターやフェレット、チンチラやミニ豚。可笑しいと思いながらも、ふと、この部屋の端に矢印が書かれているのが見えた。その方向へ走って(途中でハムスターに足の小指を噛まれた)行くと、狭い廊下が続き、動く歩道が始まっていた。狭い廊下の壁は真っ白で、天井も同じようだったが、その中には蛍光灯が入っているのか、とても明るかった。私はその中へ入って行った。

 動く歩道を走り始めて少し経過すると、一気に人が増えた。今まで見えていなかったのか、この細く狭い通路の中で、前後では人が自分と同じように走っていた。一所懸命に走っていた。しかし私は全く息が切れない。チャンスと思い、思いっきり走り始めた。しかし、踏ん張りがきかない。上手く走れない。まるで水中を走っているようだった。
 そこで私は少し落ち着いてみた、次第に感覚がつかめる。早く走れるようになる。
「よし。」私は強く蹴って走り始めた。どんどん人を追い抜かす。余裕の出てきた私はこの細狭い通路には、動く歩道の機械音なのか、重低音が響いていた。人が走る呼吸も聞こえた。足元では動く歩道の軋みが聞こえた。蛍光灯のジリジリと言う小さな音まで聞こえた。音が沢山あったのだ。
 何もない荒野を走り、骨組みだけで階段のみの建物をのぼり、壁が一部だけある部屋にたどり着き、今度は狭く四方を明るい壁に囲まれた廊下を走っている。何かの過程を表したような所だと思った。この廊下や、あの広い部屋は鉄の骨組みだけに支えられているんだ。この建物は死んだような土地の上に建っているんだ。

 私が先頭に立ったのは、それから随分と走った時だった。私の後ろには不可解な呼吸をする一人の男のみだった。あとは本当に遠くで走っている。折り返し地点なのか、動く歩道は大きく折れていた。
「ここが折り返し地点でーす!さっき走ってきたのと同じくらい距離を走るとゴールですよ!」折り返し地点に立っていた人が言う。私は、またあの距離を走るのか、と思いながらも走り続けた。この先も息の切れない、この楽な状態で走り続けられるのか不安にもなった。
 はっ、ひゅー、はっ、ひゅー、はっ、ひゅー
 不可解な呼吸をする男は粘り強く私に付いていた。私はどんな男か、折り返し地点で見ていた。男はくすんだ緑色のウィンドブレーカーを来て、フードは頭の半分まで被り、今にも取れそうだった。口元が若干動いている。何かブツブツと言っているようだ。不可解な呼吸の合間に、何かを言っていた。私は彼が気になって仕方が無かった。
 「この先コの字型に曲がりまーす!この場所は天井がないので夜空の星が良く見えますよ!」私の頭上で軽快な声が言った。先ほどのアナウンスとは違う声だった。
 私は先を見た。確かに九十度にまだっていた。曲がったら、またすぐ曲がるのだろうか、と考えながら、壁は近付く。
 はっ、ひゅー、はっ、ひゅー、はっ、ひゅー
 男はその浅そうな呼吸のままだった。私は曲がった。すぐ先にまた曲がるようになっていた。そう言えばアナウンスで空が見えると言っていた。
 しかし、私は上を見ずに、後ろをふりむいたのだ。




 男の呼吸が聞こえない。

 男は私の真後ろにいた。音も何もなしに私に飛び掛っていた。手には刃物らしきものを持っている。照明が埋め込まれた天井の無い薄明かりの中で、その刃は妖しく光った。緑色のウィンドブレーカーは徐々に焦げ茶のウィンドブレーカーに変わり、その上から黒ずんだ麻の布が巻かれる様に現れた。

 この時、初めて男の顔が見えた。

 狂気の目を大きく見開き、口は不気味に下弦の月を表す。右頬に火傷を負い、爛れた所は伸び縮みし、所々で渦をまく。その男の行動には音が無かった。

「くそっ!」私は前を向いていた体を急いで反転し、男の方へ向けた。服装が真黒でボロボロの長外套に変化した。何故か私の腰に銃が仕込んであったのを思い出す。銃を手に取った。

「見つかるといいねぇーー!」

双子の言葉も思い出された。私が階段を上っている時に何かを探していたものも思い出された。友人Yの姿が脳裏に見える。
 男は私の肩を掴み、迫る壁に叩き付けた。その衝撃が脳まで響く。咄嗟に銃口を男の額に当てた。その時、気が付いた。

 私を見た、その目。

 私はトリガーを引いた。

 男に叩き付けられたその壁に凭れて座り、膝には絶命した男が居た。私は空を見上げ限定的に見える星を見た。男の血は流れなかった。
 カメラが取り付けてあるのに、今気が付いた。目の前に電子映像が出た。表示されるのは、あの農家で私を何処かへ行くのに急かした女性、一緒に走っていた友人であった。

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ちゃんちゃん。
もう少し手を加えるとちょっとした物語ができるねぇ。
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